シルクは自宅で洗濯できる?長く使うためのお手入れ
誰もが憧れる素材シルク
高価で貴重な天然素材として知られているシルク(絹)。
頻繁に目にするのはネクタイやスカーフ、枕カバー、パジャマなどでしょうか。
「お手入れが大変そう…」と取り扱いが難しいイメージがありますが、実はご自宅でケアもしていただける手軽なアイテムなのです。
シルク製品はどうやって洗濯(お手入れ)すればいいかわからない!という方に向けて洗剤選びから干し方に至るまで解説します。
まず初めにお伝えしますが、シルクはアイテムごとに注意点が異なります。
あくまでもお持ちのシルクアイテムの洗濯表示を第一優先に、一般的なお手入れ方法を紹介いたします◎
ケアをするにはまずシルクの特徴を知っておこう
シルクの洗濯方法を紹介する前に、まずシルクとはどんな素材なのか?を知っていただく必要があります。今回はシルクの特徴を簡潔にまとめました↓↓↓
■シルクの歴史
こちらは余談ですので、ご存知の方や洗濯方法が知りたい!という方はスルーしていただいて構いません。
シルクは今から約4,500年前、中国の王妃、西陵がお湯のなかにまゆを落としたときに、それを箸で拾い上げようとしたときに箸に巻きついたことで絹糸を発見したといわれています。これを織物にして西方諸国に輸出するため、今の長安とトルコまでの約7,000kmの道ができました。
これが『シルクロード』です。
当時、カイコから絹糸を製法する技術は中国では超極秘情報でした。なんと、金と同等の価値があると考えられていました。そして我らが住む日本には、弥生時代に朝鮮半島から伝わったと言われています。
今もなお、古くから重宝されてきたことがわかりますね。
■シルク生地の特徴
シルクの特徴は多岐にわたるため、メリットとデメリットに分けてご紹介します。
-メリット-①美しい光沢
シルクは繊維断面が三角形のため光をあてるとプリズムのように光を反射します
②肌触りがよい
シルクは繊維が細いため、肌触りが抜群です
③天然繊維なので静電気を起こしにくい
④夏涼しくて、冬暖かい
シルクは熱伝導率が低いので夏は涼しく、冬は暖かい素材です
⑤素肌にやさしい
シルクは18種類のアミノ酸で構成されており、人間の肌の成分と似ています
⑥髪の絡まりを抑え、寝癖まで軽減できる
髪へのダメージを最小限にし、ヘアケアにも使える
-デメリット-
①太陽光に弱い
タンパク質でできているため、紫外線で変色します。
②シミになりやすい
水分に弱く、シミができやすい素材です。
③酸やアルカリに弱い
④水に濡れると縮みやすい
⑤害虫の被害を受けやすい
最後に「紫外線を吸収しやすい」特徴があります。
シルクを首元に巻けば紫外線対策になるというは一つの利点ですが、シルク自体は紫外線を吸収すると黄変する性質があるため、直射日光には注意しましょう。
シルクのご自宅での洗濯方法
手洗いが基本です!両手で製品を押したり、湯のなかを潜らせ洗い、生地に負担の掛かるもみ洗いは避けましょう。
あくまでも、シルクは専門店でのドライクリーニングが一番おすすめですが、下記の方法を使ってシルク製品も長く使っていただけます◎
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30℃以下の水での手洗いが基本
30℃のぬるま湯で両手で製品を押したり、湯のなかを潜らせ洗い、生地に負担の掛かるもみ洗いは避けます -
中性洗剤またはシルク専用洗剤をご使用
絹用家庭洗剤がおすすめします。シルクは天然タンパク質で、塩素系漂白剤は生地を傷めますので、絶対に使用しないでください -
3分間浸します。
シルク洗浄液に3分間浸します。 -
振り洗い
水中でパジャマを前後左右に揺すり、汚れを払い落とす。そっと手をなでて水を2-3 回洗います。 -
すすぐ(30℃以下の水で)
泡が出なくなるまで水を入れ替えて何度かすすぐ。 -
タオルドライ
シルク製品を取り上げ、広げたタオルにくるんで水気を吸い取る。 -
干す
風通しのいい日陰で平干して乾かせば完了。
※注意点: ハンガーや洗濯バサミで吊るさないでください。乾燥ラックバスケットがおすすめします。
▶︎守るべきこと
・30度以下の水温で洗うこと(温水の使用不可)
・衣類の洗濯表示に沿って、手洗い又は洗濯機のデリケートコースでケア
・お洗濯用の洗濯ネットに入れる
▶︎注意事項
・生地を絞ったり、ねじったりしないこと
・温水、乾燥機、漂白剤は使用不可
・乾かす際は、直射日光を避けて平らに置いて干す
・お手入れ後、長期保管する場合は、不織布のケースや絹専用の保存袋に入れるよう心がける(ビニール袋やプラスチックケースに密閉して保管すると、湿度調整が出来ずカビの原因になりやすい)
適切なお手入れで長く使用しましょう!
シルクのお手入れ方法を覚えておけば使用面ではメリットがたくさんあります!繊細な素材なのでとにかく優しく扱いましょう。